【フォーカス】ステップを積みかさねて、連想をジャンプさせよう

2018年10月7日に開催したワークショップをレポートします。

今回のテーマは、“りんごからの自由な連想” 

子どもたちからは

「りんごがおどるかもしれない」(6歳)
「りんごをこちょこちょするとうんちがでるかもしれない」(6歳)
「りんごどけい」(5歳)

など、ゆかいな連想が出てきました。


もちろん、はじめから出てきたのではありません。
連想にいたるまでに3つのステップがありました。

  1. 「じゅんびうんどう」での読みきかせ
  2. 「本の素」の読みきかせ
  3. ワーク中のナビゲーターからのフォロー

以下、くわしくお伝えします。


「じゅんびうんどう」での読みきかせ

体感する読書です。
とりあげた絵本は、『りんごです』(川端誠/作・絵、文化出版局)。りんごの連想への入りぐちとなります。

赤くてまるい果実だけでなく、たねも葉っぱも「りんごです」とおしえてくれる絵本です。

「りんご」はいろいろある、と感じてもらうのがねらい。


「本の素」の読みきかせ

本日のメイン本、『りんごかもしれない』(ヨシタケシンスケ/作、ブロンズ新社)。

少しながい絵本ですが、みんな集中し、食いいるようにきいていました。

やはり子どものこころをつかむ力のある絵本です。


かぶりつき!


絵本づくりワーク

「どうしようかな」と手が止まっている子には、ナビゲーターがフォローします。

「絵本にどんな『かもしれない』があったか見てみよう」と、絵本をめくって見せます。すると、そうか!という表情になり、「なにがあったかな?」と言いながら自分でページをめくりだしました。

読んだ本をふりかえると連想のきっかけがつかめます。


今回、ワークシートは2種類、準備しました。

A.「りんごがおいてある」と書かれたもの → 自分がおもうりんごを描く

B.「かもしれない」と書かれたもの → りんごかもしれないものを描く


「りんごがおいてある」のシートでは、「どこにりんごがおいてあるか、考えてもいいね」と補足しました。

これが着火剤になって、「トイレのなか」「がけのうえ」「やきにくのうえ」「とけいのうえ」など、続々とアイデアがでてきました。


連想の発展形として、「りんご+なにか」を考えました。絵本の中にも「りんごの家」などたくさんでてきます。

すると・・・

「りんごがおどるかもしれない」(6歳)
「りんごをこちょこちょするとうんちがでるかもしれない」(6歳)
「りんごどけい」(5歳)

自由なりんごがたくさんでてきました!


みんなで観賞

できあがったワークシートを机の上にならべて、見ていく時間。

りんごから、色やかたち、なまえ、うごき、場所を好きなように変えていき、全部で25通りのりんごができあがりました。


子どもたちが一番盛りあがったのは、「りんごをこちょこちょするとうんちがでるかもしれない」。

こちょこちょも、うんちも子どもが大好きなアイテム。

それらをぎゅっとひとつに。絶妙な組み合わせでした。


「みんなの本」を味わう

さいごに、一冊に綴じた「みんなの絵本」を読みきかせ。

何度も見ているシートも一冊の本になると新鮮です。

次のページは何がでてくるのかな?と聞き耳をたてる子どもたち。自分が描いたページや、面白いページがでると、わっと声があがりました。


どんなことからでも、連想をめぐらせてみよう。

そしておもしろいぞと感じたことや、ふしぎだなと思ったことは(どんなヘンなことでも)表現していい。

そんな構えが、子どもたちの表現の根っこに残れば、うれしいです。


(吉野・松井/記)

ことば×からだ☆おやこ絵本ワークショップ

イシス子ども編集学校による親子向け絵本ワークショップ。 絵本づくりワークや言葉遊び、手遊びを通して、ことばとからだをのびのび、いきいき、育てます。 《絵本の読み方が広がる 親子の会話が変わる》