「これまで」が「これから」を支える

『じぶんでつくる 6さいまでの アルバム』

山脇 百合子 作 福音館書店



 長女がちょうど6歳、「今でしょ!」とぱっと買いました。


 そのうち時間を作ろうと思っていたら、長女が「今、やりたい」。

 晩御飯の支度の真っ最中で、「ごめんね、ご飯作って、食べてから」というと、自分でエンピツをもって書きこみ始めました。


「たんじょう日は知ってるよ。生まれたじかんは?」
「どんな天気だった?」
「あかちゃんの時にどんなもの食べてた?」


 生まれたのはたしかお昼の12時1分だったよ。曇りだったかな。蒸し暑かった。
 手を動かしながら答えます。
 写真を貼る欄もあります。
 お兄ちゃん、手伝ってあげて! 長男(11)にアシストを求めると、意外にも楽しそうに二人で作り始めました。


 ネコのプリンちゃんの成長記録が「例」として載っていて、真似したくなる仕掛けになっているのです。まさにタイトルどおり。


はみ出しも、かきまちがいも、そのまま「今」の記録になっています。



 そろそろ就学のタイミング。励ますだけでなく、振り返ることが次への確かなステップになるのでは。作らなくても、絵をみながらお話するだけでも十分いいと思います。


「ねえ、わたしはどうして<かよ>っていう名前になったの?」


 それはね……。
 答えながら、人は、一番大事なことを他者に委ねて生まれ、歩み始めるのだということにも気づきました。


まだまだ編集中。


(松井 記)

ことば×からだ☆おやこ絵本ワークショップ

イシス子ども編集学校による親子向け絵本ワークショップ。 絵本づくりワークや言葉遊び、手遊びを通して、ことばとからだをのびのび、いきいき、育てます。 《絵本の読み方が広がる 親子の会話が変わる》