一日って何だろう? 一年って誰が決めたの?
『カエサルくんとカレンダー 2月はどうしてみじかいの?』
いけがみ しゅんいち 文 / せきぐち よしみ 絵 福音館書店
「ねえ、どうして2月だけ短いの?」と子どもに質問されたら、どう答える?
絵本ワールドは広い。
こんなテーマを扱った本もちゃんとありました。
……と思って読み始めたら、驚き。
まず太陽と月と地球の位置関係を知ることから始まります。さらに話題は世界の歴史へ。
現代、世界で広く使われているカレンダーの基本を作ったのは、紀元前100年に生まれたローマの将軍、カエサルなのです。カエサルがエジプトに赴き、女王クレオパトラと出会ったことが太陽暦を考えだすきっかけになりました。
それで、なぜ2月が短いのか。
おもいきりはしょると、カエサルの子で初代ローマ皇帝となったアウグストゥスが「わがまま」で、もともと短かった2月から8月に、さらに一日奪ったから。
この説明に、主人公のゆうかちゃんは、「なんだか2月がかわいそう。でも、おかげで夏休みが一日増えたから感謝しなくちゃ」。
このやりとりが絶妙!
一度読んだことだけで全部理解できる子どもは、いや大人も少ないかもしれませんが、身近なカレンダーが、所与のものではなく、人々が生きるために知恵と工夫で作り上げてきたものだということは伝わると思います。
2020年はうるう月
複雑な話こそ、解きほぐしていくのがおもしろい。
読んだ後は、ぜひいろんな人に話してみましょう。きっと理解が深まります。
「ねえ、2月ってどうして短いと思う?」
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