【フォーカス】親子で 音をさがして オノマトペづくり

お母さんが予想を超えた子どもの力を目撃したり、普段とちょっと違う親子の会話が生まれたり。 

それがおやこ絵本ワークショップの醍醐味。8/5のレポートをお届けします。


ワークショップのテーマは「オノマトペ」

今回は、夏の写真から聞こえる音をあつめて、手作り絵本『なつのおとずかん』を作りました。

まずは、手作り絵本の〈本の素〉となる絵本の読み聞かせ。絵本は、全編オノマトペでできた『でんしゃはうたう』(作:三宮 麻由子 絵:みねおみつ、福音館書店)

オノマトペを口の中で真似する男の子や、笑いながら聞いている女の子。お父さんが「そんなにおもしろい!?」と反応していました。

普段、家庭で読まれることが少ないオノマトペ絵本への子どもたちの反応は、パパ・ママにとって予想外の収穫になったようです。


オノマトペを実感しよう

読み聞かせの後、何か音が聞えてきました。

ナビゲーターがあずきを入れたペットボトルを振って、波の音を作っていたのでした。

「どんなふうに聞こえるかな?」と問いかけると、「ざざー!」「ざざざざー!」と子どもたち。

こんなふうに音を文字であらわしたものを「オノマトペと呼ぶ」と伝えました。

振りたくなるね。どんな音が聞えるかな?


『なつのおとずかん』の作り方

ここから、オノマトペを考えて『なつのおとずかん』作りへ。

-作り方-

  1. 写真をよく見る。
  2. どんな音が聞こえてきそうか、親子で話す
  3. 写真の周りに音を書く
  4. 何の、どんな音かも書こう
  5. 選んだ写真を好きな順番にならべる


屋台ってどんな音?

最初にかき氷の写真を選んだ親子。男の子が写真に落書きをはじめました。「ワークシート、おもしろいな」と感じていただけたようです。

続いて、祭りの屋台の写真をみて、3歳の男の子が「どん!どん!」

ナビゲーターが「おまつりって、わかるんだね。太鼓は写ってないけど、たしかに遠くからどんどんどんって聞こえてきそう!」と声をかけると、お母さんも「わかるんですね~。びっくりしました」。

親の予想をこえる子どもの力を目撃できることは、親子ワークの醍醐味です。


写真から連想が広がる

ひまわり畑の写真に「ひまわり…きれい」と女の子。「音はどう?」と聞くお父さん。「うーーーーん、カラスが飛んでそう」。どうやらストーリー先行派のようです。

「いいねえ。カラスの羽の音とか鳴き声とか、聞こえてきそう」とナビゲーターがコメントすると、ワークシートに “からすが…” と書きはじめました。

「音、音」と突っ込むお父さん。「えっと。。。かあかあ、かな」「うんうん。それ書いてみよう!」

ひまわり畑とカラスの組み合わせ、愉快ですね。ナビゲーターのちょっとしたヒントで連想が広がりました。

また、父と娘の会話にナビゲーターが加わって、ふだんとはちがう弾けた対話が生まれたのではないかなと思いました。親子の会話が変わるきっかけにしてもらえるとうれしいです。



ページができあがって、リボンで綴じる工程。こちらも親子で奮闘。


答えが一つじゃないお題

最後に、できあがった絵本をみんなで読みました。ところどころ、書いた本人による音読をはさむと、「そんなイメージで書いたんだね、なるほど!」と新鮮な驚きで盛り上がりました。


同じ写真を見ても、ちがうオノマトペが出てくる。

それは、この時の子どもたち、一人ひとりの「ことば×からだ」から出てきたものだったから、と確信しています。

次はどんなことばを紡いでくれるのでしょう。


これまでの手作り絵本と〈本の素〉


(松井・吉野/記)

ことば×からだ☆おやこ絵本ワークショップ

イシス子ども編集学校による親子向け絵本ワークショップ。 絵本づくりワークや言葉遊び、手遊びを通して、ことばとからだをのびのび、いきいき、育てます。 《絵本の読み方が広がる 親子の会話が変わる》